24.06.01 24.07.04 更新

<卒業生インタビュー>「狭山茶アイス専門店 あま茶」オーナー・天野晃太さん

学生インタビュー
卒業生
東京校

開業実績380店舗以上のレコールバンタンキャリアカレッジ。

外食産業を担う卒業生たちは、どのようなことを意識してビジネスをしているのでしょうか?最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、

東京都飯田橋にて「狭山茶アイス専門店 あま茶」を営む天野晃太さんにインタビューを行いました。天野さんは、系列校・レコールバンタン(全日制)卒業生です。

 

 

<在校中について>

――― レコールバンタンでのコース名、卒業年次を教えてください。

38歳のときに、2年制カフェオーナーコース(現コース:カフェ専攻)に入学しました。2021年3月に卒業しました。

 

――― クラスは何名でしたか。

10名前後でした。

 

――― 通学時の1日のスケジュールも教えてください。

週5日授業がありましたが、日によって授業時間が異なります。

1年生のときは、午前中8時頃からお昼頃まで、フランス総菜店の厨房でアルバイトをしていました。昼すぎからレコールバンタンの授業を受けて、18時から23時頃まではクライミングジムでトレーナー兼スタッフとして働いていました。

 

――― レコールバンタンを選ばれた理由を教えてください。

自衛隊に19年勤務していましたが、心の片隅で「定年後に自分の飲食店を持てたら」と、思っていました。

また、入隊時の最後の勤務地が、恵比寿だったんです。近所であるレコールバンタンが体験入学の募集をしており、興味を持ちました。体験授業は、バリスタ・篠崎講師が担当してくださり、高い技術力で非常にインパクトがあり「ここで学びたいな」と思いました。

レコールバンタンの講師は皆さんプロ意識が高く、感化されました。飲食業に入るのが初めてということもあり、実践的な授業が多いカリキュラムにも魅力を感じました。

 

――― レコールバンタンで学ぶと決断する前に、悩まれた点があれば教えてください。

レコールバンタンだから悩んだというよりも、人生の決断として大きなものなので、悩みました。自分の進むべき道を進みたくなり、自衛隊を辞めさせていただきましたが、2~3年前から報告をして、仕事を全うしてから退職しました。

ですので、レコールバンタン“ならではの”迷いというのは、ありませんでした。

 

――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

入学時、飲食に関しては素人と言っていい状態でした。ですが、飲食店を開業するにあたり、アマチュアの延長線上で携わるのはイヤでした。お客さまからお金をいただくのであれば、ちゃんとした仕事をしたいと思い、2年間学ばせていただきました。現場の知識もさることながら、まずは飲食業の基礎知識を学びたいと思いました。

 

――― 印象的だった講師、授業はありますか

原田哲講師には、非常にお世話になりました。料理人からキャリアをスタートされていて、授業では、調理から経営まで幅広く教えていただきました。

ドリンク専門家・江沢講師にも、多くを学ばせていただきました。江沢講師はお茶についての造詣が深く、お茶の淹れ方の基礎から学ばせていただきました。入学前からお茶が好きでしたが、あくまでも我流だったので、レコールバンタンで教えていただいたことが、開業の基礎になっていると感じます。

 

――― 授業の雰囲気はいかがでしたか?

入学時は38歳だったので、レコールバンタンキャリアカレッジという選択肢もありました。ですが、あえて専門部に入りました。理由は、20歳前後のメンバーが多く、刺激があるだろうと思ったからです。実際に、モチベーションが高く意識が高い人が多かったです。

 

――― レコールバンタンでの学びが、「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

レコールバンタンの特別授業で、西荻窪「Satén」さんの授業が数回ありました。もともと常連のお店だったというご縁もあり、授業の合間もオーナー小山さんとお話させていただいたりして、お茶の知識がさらに深まりました。

また、「狭山茶アイス専門店 あま茶」で提供しているドリンクのレシピは「Satén」小山講師、江沢講師に教えていただいたレシピをベースにアレンジしています。

 

――― 入学前に描いていた開業とイメージに変化はありますか?

お茶が大好きなので、大前提として「ティースタンド」という業態を決めていました。「美味しいお茶を淹れる」というイメージを持っていたので、現在のようなアイスクリーム屋さんを開くとは思っていませんでした。

 

――― アイスクリームを提供する理由は。

「開業サポート」制度で原田講師に相談したことがキッカケです。

「色々な人に狭山茶の魅力を知っていただけるようなていースタンドを開業したい」と大枠を伝えたところ、「お茶屋さんとして始めるのも可能だけれど、正直なところ、お茶単体では弱い。そもそも、お茶が好きな人だけしか来ないのでは」とフィードバックをいただきました。そして「好きな食べ物は何ですか?」と質問されたんです。そこで「365日、アイスクリームを食べています!」と答えたことが始まりです。狭山茶とアイスクリームいう大好きな要素同士を掛け合わせてみようと思いました。

 

―――  在学中、開業サポートを活用された場合、その感想は?

2回まで無料で相談に乗っていただけるのですが、その2回で一気に話が進み、ありがたかったです。原田講師に相談させていただいたおかげで、お店の最終形態が形作られたので、貴重な機会だと思います。

2回の相談後、原田講師に正式にコンサルティングのオファーをさせていただきました。開業までは、原田講師に多岐に渡りサポートしていただきました。

 

―――  物件は、どのようなエリアで探したのですか?

2022年3月に卒業しましたが、当時はコロナ禍真っ只中でした。大手企業が手放した100坪などの大型物件はあれども、物件選びには苦戦しトータル1年半ほどかかりました。

まずは、川越など、埼玉中心のエリアで探していましたが希望の物件が見つからず1年が経過。「色々な人に狭山茶を楽しんでもらいたい」という想いがあったので、浅草や、都内の学校が多いエリア、オフィス街も探し始めました。約半年後に、現在の物件を偶然見つけました。、僕は足で稼ぐタイプなので、不動産屋さんも手あたり次第行きましたし、色々な街を歩いて物件を見つけました。

 

<卒業後について>

―――― 開業された経緯を教えてください。

2011年に東日本大震災が起こり、地震発生当初から災害派遣活動を行っていました。目の前で大切な人が亡くなってしまうなど、たくさんの辛い場面を目の当たりにしました。一方で、「食事支援」では、食を通して人が笑顔になる時間がありました。改めて「食の力ってすごいんだな」と感じました。今、振り返っても記憶が薄れることはありません。東日本震災で、人生観が変わりました。

心の片隅で、「定年後に飲食店を開業しよう」と思っていましたが、何が起きるかわからないのだから、今やりたいことをやってみようと思いました。開業への決意や、自衛隊の早期退職の募集などタイミングが重なり、自衛隊を辞めることになりました。もちそん、「定年後や、後で開業しよう」というのも不正解ではないと思います。

 

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

<お日にち>

2023年3月11日開業です。

<店名>

「狭山茶アイス専門店 あま茶」です。覚えやすく、シンプルなネーミングにしました。

 

<コンセプト>

落ち着けて、お茶の美味しさを発見できるお茶屋さんです。使うのは、日本三大銘茶「狭山茶」。狭山茶は他のお茶とは違い、栽培・製茶・流通を分業せず、自園・自製・自販をしているため、茶園ごとの違いが現れやすい特徴があります。レコールバンタン時代に出合って感動を覚えた茶園「奥富園」さんの茶葉を使ったドリンク、アイスクリームを提供しています。

 

<アイスクリームのこだわり>

毎朝仕込んでいるので、「できたて」にこだわっています。一般的なアイスクリームは、―20℃の環境下なら、半永久的にもちます。でも、「狭山茶アイス専門店 あま茶」のアイスは保存料を入れていないので、美味しい状態は長くても製造して2日ほど。大量に仕込むことができません。また、茶葉を入れている特性上、作り置きもできません。茶葉そのものの芳醇な香りや味わいを楽しんでいただけたらと思います。

<場所>

飯田橋駅から徒歩約4分です。事前に現地調査をしたところ 法政大学、暁星中学校・高校が近く、オフィスも多いので人の切れ目がありません。土日は、日本武道館、靖国神社などが徒歩圏内なので観光客も多く、ここを通過する人は多いです。昔から、お茶屋さんは「休憩所」という立ち位置なので、たくさんの人の憩いの場所になれそうだなと思い決めました。自宅からは、毎日1時間かけて通っています。

 

<内装デザイン>

内装業者は、原田講師に紹介していただきました。内装屋さんには、ベンチマークとした日本茶専門店のように、和モダンで落ち着ける雰囲気など、イメージを伝えました。

 

<ロゴデザイン>

コンサルタント・原田講師の会社所属のデザイナーさんがデザインしてくれました。お店のイメージをお伝えし、複数のデザイン案から選びました。

<客層>

平日は、近所の小学校・中学校・大学に通う学生さんと、近隣のオフィスで働かれる人が多いです。また、土日は観光客が多いです。日本武道館が近いので、ライブなどがあると人通りが多く、靖国神社やホテルも徒歩圏内なので海外からのお客さまもいらっしゃいます。

有名な歓呼名所への導線上にあるので、人通りは多いです。7~8割は女性のお客さまです。

 

――― 特に、売れ筋のメニューについて教えてください。

ドリンクでは「純抹茶ラテ」(税込550円)が人気です。アイスクリームでいちばん売れているのは「和紅茶」(税込500円)で、リピーターさんが多いメニューです。「抹茶」(税込500円)は定番で人気です。抹茶は2~30分かけてたててから、さらに濾し、非常になめらかな状態にしてからアイスクリームにしています。香りやなめらかなくち溶けを感じていただけると思います。

――― レコールバンタンで、アイスのレシピは習いますか?

授業で、スタンダードなレシピは学びます。ただし、お茶に特化したフレイバーは習わないので、アイスクリームはオリジナルのレシピです。

大変だったのは、アイスクリームマシーンを購入するまで試作がなかなかできなかったこと。マシーンを買うまでは、原田講師のご自宅に伺い、5回ほど試作をさせていただきいました。無事にマシーンを購入してからは、毎日延々と作りました。

 

――― 「値付け」はどのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

アイスクリームは、税込500円です。お客さまに「これくらいなら」と思っていただき、何度も何度も来ていただけるよう、できるだけ価格をおさえています。一般的な市販のアイスクリームと比べると高いといえば高いのかもしれませんが、ジェラートの相場である600円から800円と比較すると手に取りやすい価格帯です。

また、「狭山緑茶」などTEAメニュー4種類は、税込300円です。お茶好きな方が頼まれます。他店では、500円くらいに設定するお店が多いですし、スイーツとセットだと1000円はします。ドリンクも手頃な価格にすることで、普段使いしていだけるようにしています。

 

――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

オープンするまで原田講師に支援していただきましたが、トラブル続きでした。トラブルというトラブルはすべて経験したのではないかと思います。いちばんキツいと感じたのは、いつコロナ禍が明けるかわからず、どこまで頑張ればいいのかという期間が続いたことです。

具体的には、2022年2月に物件が決まりました。しかし、契約してすぐにウクライナ侵攻が始まりました。ウッドショックも起こり、内装デザインは決まっていたものの、資材が入らず工事ができない状態が続きました。丸一年は家賃だけを払い、工事もできませんでした。開業予定も、半分白紙になりました。

 

――― 資金は、どのように調達していたのでしょうか?

フードデリバリーのアルバイトをしながら家賃代を払い続けました。着工までの1年間、お盆もお正月も関係なく、朝8時から23時まで働きました。おそらく1年で1日しか休んでいないと思います。結果、2023年1月に工事が着工できるとなり、2月に内装工事が始まりました。

 

――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びはどのような時に感じられますか。

お客さまとお話をして関われる仕事ですし、食の楽しさを日々実感できる職場です。本当に面白い世界です。自分にとっては、仕事とという枠にとどまらず「ライフワーク」だなと感じています。

 

――― 日々のお仕事大変さはどのようなところでしょうか。

主に2つあります。まず、一人で営業しているので、どうしても手が回らない時間があることです。次に、商品が売り切れてしまって仕方なくお客さまを帰らせてしまうことがあること。あらかじめ天気やイベントで見積りをしますが、予想通りにいくときもあれば予想以上にお客さまにお越しいただくこともあります。

 

――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルは?

自分が大切にしていることに真摯に向き合い、自分自身が楽しめることです。

 

――― 今後の目標はありますか。

オープンして1年と少しになりますが、ありがたいことに、たくさんのお客さまにお越しいただいています。ですが、まだお店を知らない方も多くいらっしゃいます。今日も「ずっと前を通って気になっていたんですが、なかなか入るタイミングがなくて」とご来店くださったお客さまもいました。少しでも多くの人に知っていただけるよう、SNSなどの発信を続けて、キッカケ作りができればなと思っています。

 

――― 入学を検討されている方に、レコールバンタンをオススメしていただけますか。

検討されていらっしゃる方の環境などもあるかと思いますので、一概にいいですよというのは難しいです。

あくまでも、私自身の経験談になりますが、自分にとってはすごく良かったです!実際に現場に出てご活躍されている経験豊富な講師がたくさんいらっしゃいましたし、そこから学ばせていただくこともありました。私は、レコールバンタン通して飲食業の基礎を学ばせていただきました。

 

――― 入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

飲食業は、すごく充実した素敵なお仕事だと思います。当然、楽しいことばかりではなく大変なこともありますが、やる価値があります。レコールバンタンに入り学ぶことは、確実に人生の糧になります。

 

 

【SHOP INFO】

狭山茶アイス専門店 あま茶

東京都千代田区富士見1丁目3-10

Instagram:sayamacha_ice_amacha

営業時間:10:30~19:00 

定休日: 第1・第3土曜日

お店に関するお問い合わせは、公式インスタグラムDMまでお願い致します。

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